便秘解消に有用なマグネシウム類の作用機序と副作用

便秘解消の薬として、マグネシウム類があります。酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどです。こうしたマグネシウム類は便秘に対してどのように作用して有効性を示すのでしょうか?

マグネシウムの効果と作用機序

便秘薬の中にもいろいろと種類がありますが、マグネシウム類は塩類下剤と呼ばれる便秘薬の仲間です。塩類下剤は腸の中の便に水分を与えて柔らかくすることで便の容積を増やし、腸の内壁を物理的に刺激することで自然なお通じに導く作用があります。マグネシウム類の作用機序をもう少し詳しく見ると、マグネシウム類は胃酸によって塩化マグネシウムとなり、さらにこれが膵液によって炭酸マグネシウムに変換されます。この炭酸マグネシウムの影響で腸内の浸透圧が上昇すると、それを抑えようとして水分は腸管から体内へ吸収されずに腸管内に留まろうとします。このため腸管内の便に水分が保持されるようになるのです。

マグネシウムの副作用

マグネシウム類は他の作用の強い下剤に比べて、安全で長期使用もできるという利点があります。それでは副作用は全くないかというと、そうでもありません。まず、他の下剤と同様に下痢になることがあります。ただしこれは服用量が多いことによる一過性のもので服用の中止で改善しますし、服用量を減らしたり、服用間隔をあけたりすることで対処できます。また、非常に頻度の低い副作用ですが、高マグネシウム血症が起こることがあります。初期には悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、筋力低下などの症状が起こりますが、重症例では呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることもあります。マグネシウム類は体内にはほとんど吸収されませんが、ごく微量が吸収されることが分かっています。体内に吸収されたマグネシウムは腎臓から排泄されるので、腎臓の機能が低下している人ではマグネシウムが体内に溜まりやすくなります。高齢者や腎疾患により腎機能が低下している人ではマグネシウムの服用が長期にわたると高マグネシウム血症になりやすくなるので注意が必要です。

まとめ

マグネシウムは便に水分を与えて自然なお通じに導く作用があり、便秘解消のために有用なお薬です。比較的安全なお薬で長期使用もできますが、まれに副作用として高マグネシウム血症が起こる場合があるので、腎機能が低下した人でのマグネシウムの長期服用には注意が必要です。